日本経済新聞 熊本の赤ちゃんポスト10年、2割が乳児院など施設で養育

熊本の赤ちゃんポスト10年、2割が乳児院など施設で養育

2割が多いのか少ないのかをスルーして考えると、子供一人一人の状況に合わせて対応しているということがわかります。

預けられていく子供の人数から考えると、救われた命がたくさんあると想定されますが、全てが肯定できるわけでもない問題であり、日々変わりゆく課題に直面しているということが見受けられます。

親が育てられない子どもを匿名で預け入れる慈恵病院(熊本市)の「こうのとりのゆりかご」(赤ちゃんポスト)の運用開始から10年で、預けられた130人のうち28人が、里親や特別養子縁組ではなく、乳児院や児童養護施設といった施設で養育されていることが23日、市専門部会(会長・山県文治関西大教授)が公表した検証報告書で分かった。

課題の変化

赤ちゃんの命を救うだけでなく、その後の養育や精神的なケアなども課題となっています。

 2007年5月の運用開始後、検証報告書の公表は4回目。元の家庭に戻ったり、特別養子縁組につながったりするケースも多い一方、約2割が施設で暮らす実態が判明し、家庭的な養育にどうつなげるかという課題が改めて浮かび上がった。

元の家庭という選択肢

制度開始からずっと施設で暮らす子供もいる中、元の家庭に戻るというケースもあります。戻れる環境ができたら迎えに行くのはいいことと思うますが、実親の都合だけでそのようなことができるのは必ずしもいいとは言い切れません。

 報告書によると、17年3月末時点で、預け入れ後の行き先は、特別養子縁組47人、乳児院など施設28人、里親26人、元の家庭23人、その他6人だった。里親から特別養子縁組につながったケースも増えている。施設で暮らす28人のうち4人は制度開始の07年度に預けられた子どもだった。

身元不明

匿名性も重視したいと考える人がいる一方、それが認められると自分のルーツもわからないままです。状況によっては全く分からない方が安心できると感じる子供もいるのかもしれませんが、子供自身にも知る権利があるはずです。

さらに言えば、身元が不明となるということは、産後の処置などもできていないはずです。実母の体のことを考えると不安が残ります。

 また、130人のうち身元不明が26人で、日本も批准する「子どもの権利条約」が規定する「出自を知る権利」の問題も、報告書は改めて指摘。

 匿名での預け入れの弊害を「親子再統合の機会が失われている」「子が遺伝性疾患のリスクを知ることができない」などと列挙し、「親の援助や子の養育環境を整えるために、実名化を前提とした上で秘密を守る手法が必要だ」と強調した。

 その上で、ドイツの「内密出産制度」に言及した。相談機関に実名で相談し、医療機関では匿名で出産できる仕組みで、16歳になった子どもは母親の名前を知ることができる。報告書は「解決策として国に働き掛けるべきだ」と市に求めた。


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